サーフボードのフィン選び方!タイプで異なる乗り味の違い|【ショートボード編】

私自身、正直なところ最初は「フィンでサーフィンが変わるなんて大げさだろう」と考えていました。

しかし、あるとき友人にフィンを借りて試してみたところ驚くほど調子が上がったのです。ターンの伸び、ボードの安定感、スピード感、いつものサーフィンとの違いを覚え、フィンの重要性を初めて実感しました。

本記事では、そんな実体験を踏まえながら、ショートボード向けフィンの選び方を初心者~中級者向けにわかりやすく解説します。

フィンの違いがサーフィンにどのような影響を与えるのかを、ポイントごとに整理して紹介していきます。これからフィン選びをする方、いまいち伸び悩んでいると感じている方は、ぜひ参考にしてください!

目次

【3STEP】サーフィンのフィンの選び方

ここでは初心者~中級者の方に向けて、ショートボード用フィンを選ぶ際の基本ステップを4つに分けて解説します。

順番に確認していくことで、自分に合ったフィン選びができるようになりますよ!

STEP1 フィンシステムの違いを知る

まず初めに、サーフボードにはフィンを取り付けるための「フィンシステム」にいくつかの種類があることを知っておきましょう。現在ショートボードで主流となっているフィンシステムは、主に

・フューチャーフィン(Futures)
・FCS II(エフシーエス2

上記の2種類です​。フィンシステムが異なると互換性が無いため、自分のボードがどの規格なのか把握しておく必要があります。

フューチャーフィン

フューチャーフィンは、フィンをボックスに差し込みビスで固定する構造になっており、フィンとボードが一体化しやすいため強度と安定感に優れています。

ボトム面にフィンがしっかり密着することでパワフルなターンでもフィンがブレにくいとされています。ただし着脱にはフィンキー(六角レンチ)を使ってビスを回す必要があり、後述のFCSなど他のシステムとの互換性はありません。

FCS2

FCS2(エフシーエス2)は、フィンをはめ込むだけでロックできる近年主流のフィンシステムです。工具不要でワンタッチ着脱が可能になり、現在は多くのショートボードに採用されています。

フィン交換が簡単に行えるため波のサイズやコンディションに応じてフィンを素早く付け替えられる点は大きなメリットです。特に初心者にとっても扱いやすく、セッション中にフィンのセッティングを試行錯誤しやすいでしょう。

なお、FCS2もフューチャーフィンとは互換性が無い別規格のため、ボード購入時にはどのフィンシステム対応か確認が必要です。

STEP2 ボードのフィンセッティングを知る

フィンシステムを把握したら、次はフィンの本数や配置(セッティング)を確認していきます。ショートボードの場合、一般的なフィンの種類(本数)はツイン、トライ、クアッドのいずれか、あるいはボードによってはそれらを組み替え可能な5フィンセッティングなどがあります。

ツイン(フィン2本)

左右2本のフィンのみを装着するタイプです。スピードが出しやすい反面、ターン時の安定性はやや低くなります。小波用のフィッシュボードやレトロなツインフィンボードによく見られ、ルースでスケートボードのような軽快な乗り味が特徴です。

ただし波が大きい場合やボトムターンなどでは踏ん張りが利きにくいため、中級者以上が遊び用に使うケースが多いでしょう。

トライ(フィン3本)

センターフィン1本と左右フィン2本の計3本で構成される、最も標準的なセッティングです。一般的に「スラスター」とも呼ばれ、現在のショートボードで主流のフィン構成になります。

センターフィンがあることで直進安定性とコントロール性が高く、スピードを出した時でもボードがブレにくいのが利点です。初心者から上級者まで幅広く扱いやすく、小波からサイズのある波までオールラウンドに対応できるバランスの取れたセッティングと言えます。

クアッド(フィン4本)

左右一対ずつ合計4本のフィンで構成されるセッティング。胸以下のサイズの波やパワーの弱い波でもクアッドなら安定性を得やすく、トライフィンよりもルースなターンが可能。一方でセンターフィンが無い分、ターン時にテールが滑りやすい感じ(ドリフト感)を受けることもあり、コントロールには慣れが必要です。

ダウンザラインのスピードが求められる小波でのサーフィンや、ボトムの掘れたバレルでスピードを維持したい場面などで重宝されます。

STEP3 フィン形状・サイズの違いがサーフィンに与える影響を理解する

フィンは「どれも同じように見える」かもしれませんが、実は形状やサイズの違いがサーフィンに大きな影響を与えます。ここでは、フィンの各パーツがどのようにライディングに影響するのかを、初心者~中級者にもわかりやすく解説していきます。

フィン選びで迷っている方は、自分のサーフスタイルや目指すライディングイメージに合ったフィンを見つける参考にしてください。

フィンの大きさ(高さ・面積): 安定性と回転性のバランス

フィンの高さや面積といった大きさは、サーフィン中の安定性と回転性(ターンのしやすさ)のバランスを左右する重要な要素です。

大きなフィンほど水を捉える力が強く、直進時や高速でのサーフィンでボードを安定させますが、急なターンではやや抵抗が増し、キレのある(鋭い)方向転換が難しくなる傾向があります。

逆に小さいフィンは水の抵抗が小さいためショートボードでクイックなターンがしやすく、板が軽快に動きます。ただその分、直進時やパワーのある波ではテールが滑りやすくなり、安定感が下がります。

フィンの傾き(スイープ角度): ボトムターンとカービングターンへの影響

フィン先端の傾き(スイープ角度)は、ターンに影響します。直立に近いフィン(スイープ角が小さい)は水の抵抗が少なく、クイックなボトムターンがしやすくなります。逆に先端が大きく寝たフィン(スイープ角が大きい)は、カービングターン(大きな弧を描くターン)で安定し、滑らかな方向転換を可能にします。

ただしスイープ角が大きいフィンは急な切り返しには向かず、直立気味のフィンは大きなターンでややルース(板が滑りやすい感じ)に感じることがあります。自分の好みのターンスタイルに合わせてフィンを選びましょう。

フィンの断面形状(フォイル)の違い: フラットとインサイド

フィンの断面形状(フォイル)はフィン周りの水流を変化させ、サーフィン中のボードの動きに影響します。フラットフォイル(内側が平ら)のフィンは水の抜けが良く、ターンの安定感とコントロールのしやすさに優れます。

一方、内側が湾曲したインサイドフォイルのフィンは、水中で揚力を生み出してターン時の推進力(ドライブ)やスピードを高めます。そのぶん強いターンでのホールド性(板が波に粘る感じ)も向上しますが、扱いには若干の慣れが必要です。

自分のレベルや求めるフィーリングに合わせてフォイル形状を選びましょう。

フィン素材の種類と特徴

フィン選びでは、形やサイズだけでなく「素材」も非常に重要なポイント。素材によってフィンの硬さやしなり(フレックス性能)、重量が異なり、サーフィン中のスピード感やターンの反応にも影響します。

ここでは、以下の代表的なフィン素材の特徴と、それぞれのメリット・デメリットを初心者~中級者向けにわかりやすく解説していきます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プラスチック系フィン: 柔軟で安価、初心者に最適

プラスチック系のフィンは、サーフィン初心者のフィン選びでまず検討したい素材です。柔軟性が高くしなやかで扱いやすいため、転倒時に体に当たっても大怪我につながりにくいのも安心ポイント。

こうした理由から、最初のショートボード用フィンとして最適でしょう。ただし柔らかい分、スピードを出した時の安定感や反発力ではやや劣るため、上達してくると物足りなさを感じるかもしれません。

ファイバーグラスフィン: 高剛性で反応性が高いオールラウンド性能

ファイバーグラスフィンは、高い剛性によるダイレクトな操作感が特徴のオールラウンドなフィン素材です。硬めのため高速ターンでもブレにくく、ボードへの力伝達が良いので反応性も非常に高くなります。

また、さまざまな波のコンディションで安定した性能を発揮する汎用性の高さも魅力です。価格はプラスチック製より上がりますが、その分性能と扱いやすさのバランスに優れて耐久性も高いため、多くのショートボードサーファーに定番として選ばれています。

ハニカムコアなど複合素材: 軽量で適度なフレックス性能

ハニカムコアなどを用いた複合素材フィンは、グラスファイバーに蜂の巣状のコア材を組み込むことで軽量化と適度なしなり(フレックス)を両立しています。

適度なフレックスによりターン時に程よくしなって推進力を生み、スムーズな操作性が得られるため、初心者から中級者まで扱いやすいオールラウンドな性能が魅力です。

カーボンファイバー製フィン: 超軽量・高剛性で上級者向け

カーボンファイバー製のフィンは、超軽量かつ高剛性で、ボードへの入力に対する反応が飛び抜けて速いのが特徴です。

極めて硬いため、フィンのフレックス(しなり)はほぼありません。高速ターンや鋭い動きでもフィンがたわまずブレない反面、動きがシビアでコントロールには高い技術を要します。そのため、上級者やプロのサーファー向けのハイエンドなフィン素材です。価格も非常に高価なことから、初心者にはハードルが高い素材と言えます。

【FCS2】おすすめのフィン3選

FCS2 フィン AM AL MERRICK PG PRO TRI FIN アルメリック トライフィン スラスター パフォーマンスグラス Thruster 3本セット 3フィン サーフボード サーフィン

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FCS2 フィン FT FILIPE TOLEDO PG PRO TRI FIN フィリペ・トレド トライフィン スラスター パフォーマンスグラス Thruster

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FCS II MF PC CARBON ACID Tri Set MF-PC-TRI

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著者

湘南に3年、宮城に3年、千葉に3年。
ショート、ミッドレングス、ロングボードを抱えて、日本のサーフポイントを渡り歩いてきた経験を元に、各ポイントの詳細やサーフィンライフをサポートする情報をまとめています。
お気に入りのサーフポイントを見つけて、理想のサーフィンライフを送りましょう。

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